夏よりも一段と高い高度で雲が漂っている。。。。。
秋の羊雲が、 ゆるやかに風に流れます。
ほのかに金木犀の香り
そんな時は窓を全開に開けたくなります。
キンモクセイの花
中国ではお茶などにもします。
すっかり秋の気配になってきました。
畑の木々も愛らしい実をつけます。
アオハダ
山の中では幹が青いためアオハダといわれるようです。
雌雄異株です。 ♀は沢山の実をつけます。
オトコヨウゾメ
実に奇妙な名前です。「男、酔う、染め・・・???」
名前の由来は不明。 楚々とした雑木の低木です。
繊細な樹形で、小さなかわいい実を秋の間しばらくぶら下げます。
いや~、雑木通にはたまりませんね~
ヤマボウシ
花の咲いた数、沢山の実をつけます。 ほのかな甘みがあります。 私にはマンゴーの様な風味に感じます。
朝晩の風が肌寒くなってきました。
花の少ない秋は、ほんのわずか実った小さな実を見て心の豊かさを感じます。
これまで害虫がつきにくく強いと評判だった樹種も、さまざまな要因によって痛みだすことがあります。
「レイランディー」Leyland cypress は今まで樹勢(萌芽力などが強い)、病気に強く、耐陰性があり、生垣の優等生でした。
レイランディー円錐仕立て
植木屋仲間の間でも「刈りごたえがある・・・・・???」と 評判でした。
その「レイランディー」 最近、害虫や菌などにより葉がボロボロにされている木が目立ちます。
原因は特定できていませんが、シャクトリ虫のようなものが多くたかっているのを目撃しました。
レイランディーの近隣種「ゴールドライダー」の病害状況
又、梅雨時などにウイルスによって葉が傷むこともあるようです。
やはり定期的に殺虫殺菌するしか手はないと思います。
刈り込みなどをして生垣の中に古葉がたまっていると病巣になるので、刈り込んだ際は良く叩いて風通しよく清掃することも重要です。
その年で流行の病があったり・・・と病気や虫の発生が毎年一定ではないことを痛感します。
いよいよ梅雨が開けました。
炎天下の仕事はまだ体が慣れてないので脳みそがとろけそうです。
この季節は一雨降って晴れ間が出るたりすると空中湿度はとても高くなります。
赤色生垣の代表選手「ベニカナメ」
赤色の新芽が美しいベニカナメですが近頃病気が多く見られます。
ほとんどの生垣が・・・と言っていいぐらいやられてます。
葉が振るい始め、生垣がガラガラ、スカスカに なります。
「ごま色斑点病」と言われ細菌やカビによる仕業です。
これに対処するには定期的に数種類の殺菌剤を散布するしか手はないと思います。
そしてもう一つ、木自体を元気にすれば少々菌にやられても葉を吹き返しますので、肥培管理などをして木や根を元気にすることも重要。
昔はなかった病気も温暖化や気候の変動、住宅事情、剪定ゴミの処分方法、さまざまな要因で変わっていきます。
ちまた奥様達は「オーガニック」「無農薬」など好まれますが、私は植木の美しさを保つ為にはケミカルなものも必要性があると思うのです。
散布の際は周囲に御迷惑がかからないように十分な配慮が必要です。
もうすぐ七夕です。
近所の原っぱでは毎年七夕祭りが行われます。
7月7日 織姫と彦星が年に一度だけ逢うことが出来るロマンチックな日でございます。
我が家の娘たちも短冊に願い事を書いて毎年飾ります。
なにやら「背が伸びますように」「自転車がほしい」・・・「ハワイに行きたい!」
無理な願いは御遠慮ただきたい。。。
—–◇◇◇—–
毎年この時期になるとよく質問されるのですが「竹」と「笹」は何が違うのか・・・と思いつつ今の今まできてしまいました。
「さ~さ~の葉 さ~らさら♪」と歌にはありますが一般に七夕は笹ではなく細めの竹を竹藪に入って採ってきます。
日本の野生植物(平凡社)によると、「タケ・ササの仲間は分類学上未解決の問題が多く、属や種の認識もまだ定説に達していない」とあります。
植物学的には大きくなっても「竹の子」時代の皮が残ってるのが「ササ」 矢竹の寒竹ようなものを「ササ」と分類する。
ただ、異なる解釈も存在します、
文科省では「稈を利用する」のが竹、「葉を利用する」のが笹という定義をしているようです。また、タケの語源は「高い木」、ササの語源が「サラサラと葉が触れ合う音」だそうです。
物干し竿の場合は稈を使うので、ササ類であっても「竹」というのが文科省定義なのでしょう。
調べだすとますます混乱してきました(汗)
植木屋さん的には「笹」というと「クマザサ」「オカメザサ」等の地被植物のイメージがあります。
「竹」は孟宗竹、大名竹など中高木のイメージがします。
飾りつけするなら笹よりも大きな竹の方が沢山飾れて良いでしょうね。
今年も仙台をはじめ各地でさまざまな七夕祭りが行われるようです。
天の川に願いを托しましょう~
美しい春の花の代表選手「ハナミズキ」 毎年沢山の花を付けて楽しませてくれます。
「ハナミズキ」 実はアメリカ由来に木であることをご存知ですか?
近年、梅雨になると葉の表面が白くなるウドンコ病が多々発生しています。
ハナミズキの代表的な生産地はアメリカのテネシー州で自生地はバージニア州ですがローム層の乾燥土壌で降雨量も少なくウドンコ病は少ないようです。
日本は5月~10月まで空中湿度も高く降雨量も多いことからウドンコ病が多々発生します。
防除の方法としては定期的に殺菌剤を散布して肥培管理する必要があります。
又、酸性土壌である日本では根グサレすることもあります。phを調整して土壌改良すると良いでしょう。
街路樹のハナミズキが意外と元気だったりするのは、コンクリートガラなど適当に入っている土壌でphが中和されているせいかもしれませんね。これは私の予測ですが。。。ちなみに近隣種のヤマボウシには、このようなウドンコ病はつきません。
——–◇◇◇——–
ハナミズキの普及の歴史は明治の終わりの頃、今から100年前の1912年に当時の東京市長の尾崎行雄氏がアメリカへサクラを贈った返礼に日本へ渡来しました。 小石川植物園には大きな原木が現存しています。
その後敗戦国に来日したマッカーサー元帥の故郷がバージニア州であったこと、街路樹として最初にアメリカ大使館前に植栽したことが始まりで多くの地域に広まったそうです。
「花水木」
日本とアメリカの友情を一層深める願いが込められていて、現在では関東地方をはじめ多くの地域で美しい花と紅葉を鑑賞することができます。
新緑もずいぶんしっかりとした葉になってきました。
この季節は植木畑も春の香りがします。
虫もまだ少ないし、自然とかかわる仕事をする我々にはとても良い季節です。
食べ物でも山菜などエグミの効いた香りの良いものが多いですね。
草餅も香りが良いし、蕗やたけのこ、こしあぶら、ふきのとう明日葉・・・香りの良い美味いものをあげたらきりがありません。
夜の植木畑を散歩していると新緑や花の甘い香りが入り混じり、時より、そよ風に乗って漂います。。。
オガタマポートワイン
常緑樹で招霊木(オガタマの木)のピンク花です。花はフルーツの様な香りがします。
イリシウム
西洋シキミです。 イギリスでは定番的に庭に使われます。
可憐な赤花を咲かせます。葉はハーブの様な香りがします。
花や実だけでなく香りを愛でるのも植物の楽しみの一つ
そして香りの良い食べ物や木々に囲まれるとリラックスして心まで癒されます。
今夜は山菜の天ぷらが食べたくなってきました。
0℃を記録しました。。。庭の水鉢も氷が張り、冬の足音が聞こえてきました。
師走の足早な足音が・・・!
12月に入ると植木屋は何かと忙しいものです。ありがたいことですが、あわてて怪我などない様、落ち着いていきたいです。
平井園の圃場もモミジがすっかり落葉して色鮮やかなの落ち葉の絨毯を大地に演出してくれます。
大盃モミジ 発色の良い紅葉
黄葉のモミジの絨毯で子供たちは落ち葉遊び。
「♪さざんか さざんか 咲いた道 たきびだ たきびだ 落ち葉たき~♪」
今では落ち葉焚きはすっかり出来なくなりました。
しかしながら、この季節になると不思議と焼き芋が食べたくなります。。。
落ち葉で蒸し焼きにすると やわらかくて、香りが良く、とても美味しいです。
電子レンジでは、どうして美味しくないのでしょう?
四季を感じることの出来る日本は豊かな自然の変化を楽しむことが出来ます。
世間ではメリークリスマス!という気配ですが,日本的な情緒も大事にしたいです。
落ち葉や花ビラもその一つ、 とても風情があり色鮮やかです。
子供も落ち葉拾いで大はしゃぎ・・・
我が家には、これという子育ての教育論や理念はありませんが、しいて言えば「土と戯れ、土と遊び、自然と親しむ。」といったとこでしょうか。落ち葉遊びもその一つ、時にはたんこぶ作ってきたり、怪我もしますが自然と親しみ健康であれば、なによりありがたいです。
暖かかった今年の秋も、徐々にフィナーレを迎えようとしています。
遂に黄葉のしんがりを務めるイチョウも鮮やかに色着きました。
歩道は金色の絨毯になります。。。
自転車などは滑って転ぶので気をつけましょう。
平井園圃場の木々もすっかり色着きました。
メグスリノキ
漢方では樹皮を煎じて洗眼に用いたので、その名がついた。 肝臓の薬としても使われます。
ヤマコウバシ
とても味のあるオレンジ色に紅葉します。
枝を折ると香ばしい香りがするので、その名がついた。
また10月頃、黒く熟すこの実を噛むと辛味があるので山胡椒と呼ぶ地域もある。
ヤマコウバシ冬の立ち姿
木をよく知らない人が見たら「枯れてるのかしら・・・?」 と勘違いされそうです。
枯葉も山の賑わいで、とても味わいがあります。
あまり目立たないこの木は冬になると存在感を表します。 初冬から翌春にかけて枯葉をいっぱい残して落としません。
ナチュラルアースカラーの茶色に自然志向の人は目を奪われます。
「落ちない」ということで受験生にひそかな人気出そうです。
あまり知られていない樹種でも、とても美しく紅葉したり、面白いストーリがあったりします。